1か100かじゃない世界
- toshiki tobo
- 2021年3月7日
- 読了時間: 2分
「別にみんなと同じじゃなくていいんだよ。」
小さいころ、そんな親の言葉にあまえて
自分の好きなようにやりたいことをやらせてもらった。
目立ちたがり屋で、人とは違うことがしたくて
いろんなものに立候補したりした。
違うことをすることで
誰かと同じ土俵に立たなくてよいということが
僕に安心感を与えてくれた。人と比べられるのは怖い。
人より劣ることを知ることが何より怖かった。
中学、高校へ進むと評価されることが増えた。
テストの点や通信簿がおもだったけど
そこで表された数字が僕そのものな気がした。
大学を経て社会人になった。周りの目は厳しくなる一方だ。
「まんべんなく何でもできなければいけない」
そう言われたことがあった。
ぞっとした。
僕たちは人ではないの?
好きなこと、得意なことをのばすことより
苦手なことを克服することは何倍もの時間がかかる。
なにより耐える時間が辛い。
でも、その人が言う"まんべんなく"を
馬鹿正直に受け入れた。
そうしていたら、知らずの内に自分自身が
何でもできる人になったかのような
そんな錯覚を覚えるようになって、
他人行儀で生活するような場面が増えた。
できないことはなくて誰かの言葉を
予定調和な展開にはこぶ道具のひとつとして存在している
そんな錯覚に陥ることが増えた。
苦手なものより好きなことに
もっと多くの時間を割けばよかったと心から後悔した。
そうすれば嫌な思いをさせる人も少なかったはずだし
落ち込むことも少なかったかもしれない。
おとなになったら誰もが我慢しているように思える。
でも、そんなに我慢したらあなたではなくなってしまうよ。
一般的な社会の本流から外れた生活を送ろうとすると
だれかが警鐘を鳴らす。それはとてもありがたいこと。
でもね、本流のほかにも生活の場所はいくつもあるよ。
あなたにしかできないことはたくさんあって
それは誰かの心をときめかせ、輝かせる材料になる。
その"誰か"があなたのまわりにどんどん増えることで
やがてそれが生活できる程度の営みになるかもしれない。
あなたの輝きは必ず他の誰かを輝かせる。
だからその輝きを失わないように
あなたが信じた場所で輝き続けてほしい。
僕はもうすぐ本流から抜けようと思う。
誰かの輝きを受け取ることができたから。
空は海は大地は輝きをきっと受け止めてくれる。
どんな輝きでも受け止めてくれる。
だからみんな好きに生きてみようじゃないか。
力強く歩みだした外は花粉が多く
そっと僕は家の中に戻った。
お粗末様でございました。

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