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音姫ちゃん

  • 執筆者の写真: toshiki tobo
    toshiki tobo
  • 2021年1月18日
  • 読了時間: 2分

先日、都内で一人暮らししているおじちゃんに会った。

年に数回死んでいないか生存確認をしている。


おじちゃんは僕の150倍ぐらいしゃべる。

ほとんど僕の返答はいらない。





で、先日は安倍さん(元総理)の家を

確認しようということになった。(なぜだ)


「しっかり警備されているな。次。」


ということでついでに麻生さんの家も

確認に行ってきた。(なぜだ)


「スイスのペンションみたいだな~」

「いや、軽井沢だよ~」


そんな会話をして、串焼き屋に向かった。


10年くらい前に行ったことがあるという

串焼き屋だった。


最近はどうだなんだ、墓じまいがどうのこうのとか

そういう話をして、急に

「俺ん家の音姫ちゃんがさ~」とか

おじちゃんが話し始めた。


音姫というから最初はいわゆるトイレのあれかと思ったが、

いい年してどうやら彼女でも見つけたようだ。

(そもそもおじちゃんちに音姫があるはずがない)


「女性にそんなあだ名付けちゃだめだよ」

と話したら

「だよな~ガハハ!!」

と楽しそうに笑ってた。


細かく聞くと、音姫ちゃんは

平成生まれの音楽好きで、

とりわけUKロックと椎名林檎が好きなようだ。


おじちゃんはレコードを集めていて、

骨の髄までUKロックで染みついている。

だから、話の馬が合う子ができて相当嬉しいようだ。


還暦のおやじと平成生まれの女の子。

歳はどうあれ仲良くしてくれる子がいて正直安心した。


同居しているらしく、家の中ではどこでも一緒のようだ。

世の中物好きがいるもんだと思った。

そんな話電話では全然きいてなかったから

びっくりと同時に呆れた。


おじちゃんは根拠のない自信をもっていて

未だに夢に夢見ている。

だから、まあありえないことでもないかと思ったりした。


「音姫ちゃんがいると部屋が全然ちがうんだよ~」

といって、ガラケーからいくつかの写真を見せてくれた。

レコードを聴いているときの写真を見せてくれた。


「これがジミヘン(ジミーヘンドリックス)のときで~」

「これがオアシスのときで~」


てっきりその音姫ちゃんが写ってるのかと思ったら

おじちゃんの部屋が写っているだけだった。


「ん?どういうこと?」と聞いたら

「明るさが全然違うだろー!」とおじちゃん。


「明るさが、違う?」


もう一度写真を見返してみた。


確かに写真によって写真の明るさが全然違う。

まるでフラッシュでも焚いたかのように

真っ白の写真もあった。


音姫ちゃんは霊だった。


明日は続きを読んでいただきたい。



お粗末様でございました。

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