top of page

対向車線を歩くこと

  • 執筆者の写真: toshiki tobo
    toshiki tobo
  • 2021年3月3日
  • 読了時間: 2分

今日は在宅勤務の一日だった。

気分転換にいつものルノアールに向かった。


風が強く、冷たい。

でも日差しは紛れもなく春の日差しで

心なしか足取りも軽く感じられた。

一駅分歩くので大体20分ぐらい。

ルノアールにつく頃には汗ばんでいた。


ルノアールまでの道はまっすぐで

中山道を水道橋本面に向かい南下する。

片側2車線の大きな道だ。

信号待ちをしたくなくて

今日はいつもと対向車線を歩いてみた。

はじめて通った道のような新鮮さを感じた。

いつもの反対側を歩いているだけなのに

こんなに違うだなんて思わなかった。


見えているようで遠くのものは何も見えていなかったのだと

ハッとさせられた。


ルノアールに到着し席に着くと

今日もたくさんの年配者、あらため"先輩"で

埋め尽くされていた。


ルノアールは正直高い。

コーヒー1杯で700円近くもする。


だけどもここは僕にとっての"対向車線"で

歩いてみるべき道だと思った。

自分に見合った場所はたくさんある。

しかし、それでは僕の毎日は"いつもの"毎日になってしまう。

なんだか味気ないじゃないか。


ここへくると予期せぬ会話や

普段友人としないような会話がほとんどで、

日本社会においてはこここそががマジョリティなのだ。

ここの意見を無視して政権は維持できないのである。


ここには僕には作れない笑顔がある。

「え?」「え?」と進まぬ会話にひと笑顔。

葬式の話でひと笑顔。

「ATMが使えない!」でひと笑顔。

あんたもぼけた、私もぼけたでひと笑顔。


人生を折り返してきた先輩たちが対向車線を歩いている。

楽しそうに歩いている。

僕の方はどうだろう。みんな息を切らして走っている。

急こう配を走っている。辛そうだ。


でも反対側はまったく違う。正反対だ。

お互いを労わりあいながら、ゆっくりゆっくり

それは楽しそうに歩いている。


ちょっとだけ対向車線に入ってみる。

やっぱり楽しい。同じ時間軸なのを疑う。


でも毎日はいいかな。

ほんのちょっとだけ。


目の前をとおる道がたとえ一本だったとしても

その道のどこを歩くかで世界は違って見える。

ずっと広がって見えるかもしれない。


もう少ししたら、戻ろう。

みんなと一緒にしっかり走ろう。

でも無理はしないよ。みんなも無理しないで。


お粗末様でございました。



ree

 
 
 

コメント


bottom of page