top of page

#おばあちゃんの姿

  • 執筆者の写真: toshiki tobo
    toshiki tobo
  • 2021年8月13日
  • 読了時間: 2分

更新日:2021年8月16日

僕には2人のおばあちゃんがいた。

生まれたときにはすでにおじいちゃんはいなかった。


僕はおばあちゃんが大好きだった。

一緒に住んでいたのは父方のおばあちゃん。

優しいおばあちゃんだった。

料理や野菜作りが得意で色んなものを食べさせてくれた。

そして、色んな体験をさせてくれた。


母方のおばあちゃんは厳しいおばあちゃんだった。

それでも遊びに行ったときいつも一緒にいてくれた。

田舎な山梨でもさらに田舎のおばあちゃん家は

山と田んぼに囲まれた家だった。

いつも車で遊びに行っていたのだけど、

自分の家に帰るときには、

おばあちゃん家から延びる一本道から

僕達が乗る車が見えなくなるまで

手を振って見送ってくれた。

とても大好きだった。


そんなおばあちゃんも2人とも、もういない。


おじいちゃんは若くして亡くなった。

父方のおじいちゃんはお父さんが小さな頃に、

母方のおじいちゃんは両親が結婚してすぐに亡くなった。

だから僕はおじいちゃんのことをほとんど知らない。

会ってみたかったとはずっと思っている。


一昨日少し不思議なことが起こった。

会社通勤のときの出来事だ。


会社の最寄駅でホームから改札へ向かうエレベーターに乗った。

乗ったのは僕ひとり。

エレベーターには鏡があって、鏡を背にして乗った。

ドアが閉まり、上にのぼる際、

僕の正面のガラスに誰かが映っている気がした。

一瞬の出来事だった。


背格好がおばあちゃんに似ていた。

一緒に住んでいた父方のおばあちゃん。

少し涙が溢れそうになった。


お盆だから帰ってきたのかもしれない。

コロナでお墓参りに行けていない。

でも、おばあちゃんのことを忘れることは一時もなかった。

だから、安心してねと伝えたい。


「東方くんは両親のどちらに似ているの?」

と聞かれたとき、

僕はいつも「おばあちゃんです(父方)」と答える。


おばあちゃんが大好きだったから

そうすることでずっと忘れずに一緒にいられる気がするんだ。


お盆。

1年で1度だけの大切な時期。

忘れないためのおまじない。


今日も遊びに来てくれてありがとう。

母方のおばあちゃんはマグロが大好きだった。

小僧寿しでマグロのお寿司を買って、

おばあちゃん家に遊びにいくのが本当に楽しみだった。

おばあちゃんの喜ぶ姿を思い浮かべると

ワクワクが止まらなかった。

マグロを見るとそんな遥か日のことを思い出すんだ。

それではまた明日。


お粗末様でございました。





Commenti


bottom of page